● 本の原稿づくり-WORD入力を開始する前の注意点

こんにちは。

街の印刷屋さん(香川県三木町 アート印刷)の

十河尚史(そごう ひさし)です。

 

今日は、随筆、小説、自分史などの自費出版を考えている人向けに

『WORD入力を開始する前の注意点』という切り口でアドバイスさせていただきます。

 

◆ WORDの A4 標準書式は危険

  

「1年以内に、新作小説の自費出版を実現するぞ!」と決意したNさん。

パソコンデスクの前に座って、WORDを立ち上げました。

すると、『WORD A4横書き 標準書式』が自動的に立ち上がり、

「よし、新作小説を執筆していくぞ!」

 

ちょっと、  ちょっと待ってください。

おそらく、

WORDで執筆をスタートしようとする人の約9割が、

『WORDの A4横書き 標準書式』に、原稿を打ち込んでいくと思います。

ですが、このやり方には次のようなリスクがあるのです。

 

 

◆ ページ数の読み間違いで予算オーバーに

 

「1年以内に、新作の小説を自費出版しよう!」と考えたNさんは、

その印刷費用を把握しておこうと、隣町の●●印刷所に、

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B6サイズで本文約150ページの小説本をつくろうと思います。

本文原稿はWORDで入稿します。この条件で300冊を印刷製本すると、

どれぐらいの費用になりますか?

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と、概算見積を依頼したところ、

翌日、●●印刷所から、

「29~32万円(税別)」という概算見積書を受け取ったのです。

 

Tさんは、税込みで30万円以内におさえたかったので、

頭の中で、次のような文字数計算をしました。

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税込みで30万円におさめるために、文字数をどうしよう???

本棚からお気に入りの本を取り出して、その字詰めを参考にしました。

B6サイズ。1ページの字詰めを 1行40字X15行=600字にしよう。

150ページなら、600字X150P=90,000字

9万字にすると印刷費用が30万円を超えてしまう。

だから、600字X140ページ=84,000字を目安にしよう。

いや、さらに控え目にして、80,000字前後の原稿をつくろう♪

「80,000字なら、間違いなく税込み30万円以内におさまるだろう。 

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「よし、8万字を目指して執筆開始だ!」

Nさんは、

『WORD A4横書き 標準書式』を使って執筆を開始しました。

 

 

 

◆ 約8万字で入稿した結果・・・

 

それから半年後、

Tさんは、8万字の原稿データを持ち込んで、●●印刷所に正式発注しました。

そして、2週間後に第1校正紙が届いたのです。 

Nさんは、その第1校正紙を見て驚きました。

●●印刷所は、

B6 1行40字X15行で編集したのですが、

第1校正紙は、なんと190ページになっていたのです。

そして、担当営業マンから、

「190ページになったので、印刷費用が37万円(税別)。税込みで40万円を超えます」

と言われて、Nさんは頭を抱えてしまったのです。

 

◆ なぜ、190ページになってしまったのか?

 

印刷会社は、B6 1行40字X15行=600字の書式で編集作業を進めました。

ですが、本として見栄えよくレイアウトしていくと、大見出し、小見出しの前後にスペースを入れたり、

本文中にも「読みやすくするための空白改行」を入れこともあるので、

平均すると、1ページに400~450字しか入らないのです。

その結果、 

80,000字 ÷ 420字=190ページの本になってしまったのです。

 

 

◆ では、どうしたらいいのか?

 

『WORDの A4横書き 標準書式』を使っての原稿づくりは危険です。

では、どうしたらいいのか?

やはり、最初から、

B6 1行40字X15行のWORD書式を用意して、

そのWORD書式ファイルに原稿を打ち込んでいきましょう。

そして、

大見出し、小見出しの前後には意識してスペース(空白行)を入れていきましょう。

そうすることで、

本に仕上がったときの「おおよそのページ数」を把握しながら、執筆作業を進めることができます。

 

もし、「B6やA5の縦書き書式のつくり方がわからない・・・」という方は、

街の印刷屋さん アート印刷へ

「どうやってつくるの?」と相談してください。

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